色と視角の不思議

富士吉田市の古い町並みを空間プロデューサーのM氏と
散策ながら、お目当てのカフェ月光を覗いてみました。

中に入った途端、薪ストーブの柔らかい暖かさに包まれました。
骨董屋さんを喫茶店に改装して使われているとのことで骨董品が
さりげなく鎮座していました。

こうしてカメラで撮影すると内部が納戸のように雑然と
見えてしまいますが、
実際は空間が狭いので人間の視点がもっと近くのものしか
見えないようになります。

実際の空間としてはこのような範囲の視野になるので
家具の数も減り、見た目には整理されるので
実に落ち着いた空間となるのです。

日本人の細やかな空間の演出に
「点景」という概念があります。

お茶室に招かれる際に露路を通ってくるのですが、
その際には灯篭やつくばい、花などがぽつり、ぽつりと
視界に入り、侘び寂びを楽しむ仕掛けがまさにこの点景です。

昔の家具をディスプレー用の棚として利用しておりました。

店主さんのご配慮で2階も拝見させて頂きました。

モノトーンでまとめられた空間、
やはり落ち着きます。

本来は座の生活でしたので天井高もこの位であってもOKですね。

人間には太古の記憶なのか、洞窟願望があるようです。
視界は前方しか確認出来ないので、
左右と背後には注意しなければなりません。

洞窟のように三方を囲まれることで心理的に安心するからです。

この2階にはそれに似た安心感も感じられました。

椅子も、テーブルも照明も色を揃える事で一体感が
生まれるので、カタチが一緒でなくても中古でもよく
馴染みます。

王冠をお皿代わりにしたお菓子を頂き、

フェアトレードされたメキシココーヒーを堪能しながら、

素敵な時間を過ごさせて頂きました。

shige

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